どうするの?「もんじゅ」の在り方について

2016年05月04日

文部科学省で「もんじゅ」の在り方に関する検討会(第7回)配付資料が公開されています。
「もんじゅ」の在り方に関する検討会(第7回) 配付資料

今回で7回目となる検討会ですが、
どのような課題が出ているのかを見てみましょう。
1.拙速な保全プログラムの導入
・研究開発段階炉にあるべき保守管理の検討が不十分なまま、拙速な保全プログラムの導入

2.脆弱な保全実施体制
・品質保証、保守管理に関する不十分な理解、PDCA含め脆弱な実施体制
・保守管理に係る業務を外部に頼る傾向

3.長期停止の影響
・実際に運転、発電した期間が短いため、運転保守に関する知見の蓄積が不十分
・長期間停止の中で経験者の退職、出向者の帰任によるノウハウ等の逸失
・停止の定常化によるモチベーション、マイプラント意識の低下

4.人材育成の課題
・高速炉の実用化に向けた道行きが不明確な中での、将来に向けた人材育成の困難さ
・電力事業者やメーカー等からの出向支援を通じたプラント保全経験者のノウハウの定着不足
・原子力規制委員会からの各種要請等を踏まえ、プラント保全担当部署の強化を図るも、管理職の経験値が不足

5.情報力や統率力の課題
・実用発電炉と比べての規制動向や技術情報に対する情報収集力の低さ
・機器・設備等に関する設計ミスを見抜けないなど、技術力の不足
・複数メーカーが行う保守管理の一元的な管理、統率能力の不足

6.東電福島原発事故後の社会的要請の変化への適応力の不足
・安全・安心に関する社会的要請の高まりに対する、状況把握と対応が不十分

7.日本原子力研究開発機構の運営の課題
・研究開発が優先され、経営陣含め保守管理が十分に重要視されていない
・これまで繰り返し改革に取り組んできたが、十分な成果があがっていない

8.関係機関との関係の在り方等の課題
・監督官庁との間の緊張関係の不足
・関係者の責任関係についての不明確さや認識の不足

いかがでしょうか。
問題が山積みなのはよくわかりますね。
「そこまで考えてなかったのか?」
と思ったりする人もいるのではないでしょうか?

特に2.3.4の課題は致命的な印象を受けます。

下のリンクでは課題の詳細が書かれています。
資料2 「もんじゅ」の運営主体の在り方について(骨子案) (PDF:372KB)

保全実地体制は脆弱で、長期間停止によって人材がいなくなり、
さらに人材育成の課題も山積みという、八方塞な状態です。


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